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がたいと思っています。
勉は現在、日立製作所に勤め十二年になります。公共システム設計部の仕事を担当し頑張っています。設計競技大会では、四百四十七名が参加、四十八名の優秀者の中に入り表彰されました。そのときは、「生きてきた甲斐があった」と思いました。
山形ろう学校のころ「古代人の心を求めて」という題で、作文が東北地区の代表として作文集に載せてもらいました。そのときは、教育のありがたさが身に染みました。
祖母もいまは亡き人になりました。勉も毎年、家に帰ってくると、必ずお土産を仏に供えて手を合わせてくれます。勉は昨年十月八日、職場の上司の仲人で晴れて結婚式を上げることができました。お嫁さんはやはり耳の不自由な方です。
皆さんからたくさんの祝辞を頂いた中で、中学時代の斎藤さんは、「やんちゃな勉君が、このようないいお嫁さんを迎え、結婚式ができるのは、小さいときから学問を学ばせてくれた学校の先生や皆様のお陰だと思います」と言いました。私も本当にその通りだと思いました。二人は耳が不自由だが、仲よく暮らしております。温かい家庭をつくってもらいたいと願っています。私はいま、とても幸せで、主人も心から喜んでいます。

 

 

 

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